入り口
どこまで続いているのかわからない、真っ白な空間。
ある人は、ここを『8の連鎖空間』と呼びました。
そこに佇む、一人の青年。この空間の、主。何故彼がここにいるのかを話すには、一つの物語の最後を知る必要があるのでそれはまたいつか。
主はこの 8の連鎖空間 に新しい世界を創りたかったのです。 本当にあるのかもわからない、連鎖の終わりを見つけるために。
主は、一つの木の苗を創りました。
次に、一人の命を創りました。その命は、創造の神となりました。
その創造の神に、苗を育てさせたのです。
苗はこの空間に強く根を張り、幾つかの枝ができました。
ここまで木が育つと、一人で育てるのは大変です。創造の神は、更に何人もの創造神を創りだしました。そしてその神々に一本ずつ枝を、根を育てさせたのです。
一つ一つの枝、根に世界が生まれ、その木は世界樹となりました。
これは、幾つもの物語が繋がることで完成する、無限に繰り返される連鎖のお話。